グラトリのフロントサイド180|オーリー+基本3動作【初心者救済練習法】
「フロントサイド180」は板を半回転させるだけかもしれないけど…
実は、今後の上達に必要なかなり大事な動きを沢山身に着けることができる奥が深いトリック。
180がしっくりこなくて困っている人は、今後の上達と言われてもまずは180だと思うかもしれない。
でも、その点は安心して欲しい。
なぜなら、180をできるようにする過程で、今後の上達に大事な動きを身に着けていくことができるから!
フロントサイド180がしっくりこないというのはどうしてかというと、
180に必要な複数の動きを上手く組み合わせることに慣れていないからだ。
全ての分野で当てはまるように、何かにつまずいたら
・一歩手前に戻ってそこを強化する
・いくつかの部分に分けて一つずつマスターしていく
という方法を取るのが簡単かつ結局早い。
ここでは、フロントサイド180をいくつかの部分に分けて一つずつマスターしていく方法を紹介する。
いくつかの部分といっても、それぞれ他の技でも使うことになるし大事な部分だから
スノーボードが上手くなるために凄く役立つ!安心して取り組んでみて欲しい。
一般的なフロントサイド180の解説
まずは、一般的なフロントサイド180の解説をしておこう。これを知ってすぐできてしまえば問題ない。それでも、部分部分の動きについてよく知っておく事が今後に役立つと確信している。
<一般的な解説>
- アプローチでは腰を落とし、軽くヒールエッジに乗って技に備える。
- 後ろの手(肩)を振り上げ、体を開きながらオーリーする。
- 回りすぎないように上半身を止め、スイッチで着地する。
これを読んだだけで、何をすればいいのか分かるならすでに部分部分の動きをよく知っている人だろう。知らない人のために一つずつ説明していく。
- アプローチでは腰を落とし、軽くヒールエッジに乗って技に備える。
どういう事かというと…
棒立ちの姿勢ではなく、これから何か動くわけだからそれに備えた体勢を取ってねって事と、
ヒールエッジに乗るというのは、前足のつま先を持ち上げてトーションを効かせるという事。トーションを効かせると板がねじれ、そのねじれが元に戻ろうとする力で板に回転力が生まれる。
- 後ろの手(肩)を振り上げ、体を開きながらオーリーする。
どういう事かというと…
上半身を開きながら(回転している状態で)板が浮くと、空中で上半身は回転を続ける。180ではこの要素はかなり小さくても問題ないが、回転数を上げていくにつれてこの部分が重要になっていく。
- 回りすぎないように上半身を止め、スイッチで着地する。
どういう事かというと…
空中で自分の意志で回転力を止めることはできない(宇宙の法則)。唯一できることは、自分自身内部での上半身と下半身の位置関係を変化させること。これはシフトと呼ばれている。
毎回180度ぴったりの回転力を与えてジャンプできればいいのだが、雪面の状態やオーリーのはまり具合によって慣れた人でもずれが生じてしまう。それを調節するのがシフトだ。
つまり、フロントサイド180をやるためには1~3を組み合わせる必要がある。
1、トーションをかけつつオーリーする
2、1と同時に上半身を回転方向に回す
3、空中では上半身のシフトで板の回転角度を調整する
以降、これらをマスターするためにはどうすればいいのか説明していく。まずは、動きの説明から。
フロントサイド180に必要な動きの説明
0、オーリー
フロントサイド180のベースとなるのはオーリーだ。オーリーにいくつかの動きを組み合わせるとフロントサイド180になる。
だから、オーリーが上手ければ上手いほどフロントサイド180をマスターするのが早くなるし、質も高くなる。
でも現段階でオーリーに自信がなくても、フロントサイド180を練習してしまって問題ない。その過程でオーリーも上手くなっていく!
オーリーの練習方法を知りたい人はこちらの記事を参考にして欲しい。
➡「スノーボードのオーリー、練習のコツ|初心者でも順を追ってすぐできるようになる!」
1、トーションのかけ方
このサイトの他の記事でも何回も出てきているが、板のトーションをかける方法を説明する。トーションを利用すると板に直接回転力を与えられるのでスピンしやすくなる。
フロントサイド側に回す場合のトーションのかけ方は
前足のつま先を持ち上げて板をねじる。
あまりトーションを使ったことがない人は、前足のすねの筋肉痛になる位その動きを繰り返しておこう。スピンが上手い人は意識してるかしていないかに関わらず、何度もこの動きをしてすねの筋肉が強くなっている。
具体的にトーションをかけると板に回転力が与えられるのを感じられる場面として、リフトを降りてワンフットの状態の時をイメージしてみて欲しい。
この状態でゆっくり滑っている時、前足のつま先を持ち上げてトーションをかけてみよう。すると、板はフロントサイド方向に回転し板が横になり止まってくれる。普段リフトを降りて意識せずに止まっているかもしれないけど、前足のつま先を持ち上げて板を横にしていると知っておこう。意識を持っているのと持っていないのでは上達速度はかなり違ってくる。
2、上半身の動き
上半身の動きには2パターンある。具体的には
・回転方向に回転させる(回転するため)
・回転方向とは逆に回転させる(回転角度の調整のため)
の2つ。
これらはそれぞれ効果が異なる。適切な場面で意識的に使えるようになるのが目標だ。
一つずつ理解していこう。
2-1、回転方向に回転させる(回転するため)
これはイメージしやすいと思うけど、ざっくりと説明すると、回転したい方向に上半身を回転させるとスピンしやすくなる。
まずは、上半身をひねった状態でジャンプすると下半身が空中でどう動きかを確認しておこう。
上半身を、進行方向に90度ひねった状態にしてジャンプすると
上半身は進行方向を向いたまま、下半身が空中で90度回転する。
家でもこの動きは確かめられるから、ぜひやってみて欲しい。
胸を進行方向に向けた状態でオーリーして板を浮かせると、空中で板が90度回るという特徴がある。
さらに、ひねればひねる程空中で板が回る角度が大きくなる。
ここまでのまとめ~フロントサイド180のために~
「上半身をひねった状態でジャンプすると、板が空中でひねった方向に回転すること」と「トーションによって板に回転力をつける」という2つの要素を利用しよう。
練習初期には型を提示された方がとっつきやすいと思うから、一般的なFS180の上半身の形(踏切時)を紹介する。
ポイント
板が浮く瞬間に胸を進行方向に向ける(両肩を結んだラインが板と垂直になる位)
あくまでこれは参考例なので、好きな形は練習の過程で自分で見つけていってほしい。
※フロントサイド180の場合は、胸が進行方向に向く位上半身をひねった状態で板を浮かせれば後の調整で回せるけど、のちの事を考えると知っておいて欲しい点がある。
上半身によって回転力を生み出すには、板が浮く瞬間に上半身が回転を続けている状態である必要がある。
ひねった状態なだけだと、空中に出てからもその状態は変わらない。
回転を続けている状態だと、空中に出てからも回転を続ける。
つまり、「板が浮く瞬間に上半身が回転を続けている状態」を作り出すのが最終目標だ。
2-2、回転方向とは逆に回転させる(回転角度の調整のため)
今までは、ジャンプする前(空中に浮く前)に上半身をひねっておいたが、今度は空中で上半身をひねるとどうなるのか確認しておこう。
空中で上半身を90度ひねると、下半身は上半身と逆方向に90度向きを変える。
この動きは180して(180に限らずだけど)少し回転が足りない(もしくは余った)場合に板を雪面に合わせるのに使う。シフトとかシフティとか呼ばれている動きで、かなり使う場面が多いし、技の成功率も上がるのでぜひマスターして!
このサイトでもこちら➡「上半身のシフト|技の成功率をUPさせる上半身の動かし方」
で説明しているので参考にして欲しい。
ゲレンデで急に止まりたい時をイメージしてみよう。
左肩を前、右肩を後ろにして素早く板を横にしているハズだ。この形がシフトの形だから覚えておいて、マスターする際に役立てよう!
ここまでのまとめ
以上長くなってしまったけど、180に必要な「オーリーに組み合わせる動き」である
・トーション
・上半身を回転方向に回す(上半身による回転力)
・上半身を回転方向とは逆に回す(シフト)
について知ったことになる。
練習方法の紹介
これから、どう練習していけばいいのか紹介する。
フロントサイド180がすぐにできなくて困っている場合、それはオーリーと「同時」に必要な動きをしなければならない事に慣れていないから。
となると、「オーリーと同時」に必要な動きが取れるようにすればいい。
練習初期では同時にやる動きは1つに絞った方が間違いは少ない。それに、オーリーと同時に一つ出来れば、180はできたも同然(と感じる位手ごたえがあることを約束する)。
ただ、ここで問題なのが…
オーリーと何か一つの動きを組み合わせるだけだと、最初の内は180度回りきらないという点だ。
だから、おススメなのが90度回すだけにして「同時に」やる事のみに集中する方法。
通常なら、上の画像のように斜面を見下ろしてまっすぐ進んで180をする。90度しか回らないと止まってしまうか、逆エッジになり転んでしまう。
だから、練習初期では、矢印Aの方向に進んでいる状態で回してみる。これなら90度しか回さなくても、回転後は直滑降の方向に滑る事になり(B)問題ない。
繰り返しになってしまうが、とにかくオーリーと必要な動きの何か一つを同時にやるという事に集中して欲しい。
このラインどりで、
・オーリー+トーション
・オーリー+上半身を進行方向に向ける
・オーリー+上半身のシフト
を一つ一つマスターしてしまおう。
人によって得意不得意があると思うけど、これらの内1つでも慣れてしまえば「質を高める練習」に移行できる。できない感覚で練習を続けるんじゃなくて、できる感覚を持ちつつより完成度を上げていくという状態の方が気分がいいはず。
まとめ
フロントサイド180のためには
オーリーと
①トーション
②上半身の回転
③必要ならば上半身のシフト(回転角度の過不足を調整)
を組み合わせなければならない。
まずは、オーリーと①~③の内一つを上手く組み合わせられるようになるのが近道。そうなれば、マスターする寸前だから。
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