上半身の先行動作|グラトリ・キッカー・ジブでスピンをするための上半身の動かし方
スノーボードの回転技(スピン)は、板のトーションと上半身による回転力から構成されている。
上半身によって回転力を作るためには、ほんのわずかの瞬間に上半身を動かさなければならない。
上半身を回転させて、回転力を作ろうとしても
板が空中に浮く瞬間に合わせなければスピンの効果は得られないのだ!
本記事は、動画の内容をテキストベースで説明・補足しています。
①板の回転に影響を与える2つの要素
板の回転に影響を与える一つの要素として、板のねじれ(トーション)を利用するというのはもう知っているだろうか?
もし、トーションって何それ?という人がいたら「グラトリ・キッカー・ジブの前提となる2つの基本動作」を参照して欲しい。
僕個人的には、トーションを利用すると板に直接回転力を与える感覚をつかめて分かりやすいと思っている(特に、最初の内は)。
でも、上半身の動きによっても回転をすることができるし、人によってはもしかしたらこちらの方がしっくりくるかもしれない。
さらに、上達していくにつれて必須になることは間違いないので、
今回は、上半身の動きによる回転への影響を説明していくよ!
これを知ってしまえば、
・フレックス
・トーション
・シフト
・先行動作(上半身由来の回転力)
を知ったことになる。スノーボードの技はほとんど全てがこれらの組み合わせで成り立っているから、後は一つ一つの精度を高めたり、組み合わせたりして色々なことができるようになる!
まず、単刀直入に結論から言ってしまうと、
「板が空中に浮く瞬間に、上半身が回転している状態」
であれば上半身によって回転力を生み出すことができる。
ここで、「上半身が回転している状態」と「ただひねられている状態」とは区別して欲しい。
文字通り上半身が回転方向に動いていなければならないのだ。ちなみに、この回転速度が速いほど回転力が大きくなる。
このように、スノーボードのスピンをするためには
・板のトーションと
・上半身の回転力
の両方が影響してくることになる。
どちらか一方が得意なら、もう一方は少し苦手でも大丈夫だし、
どちらか一方がめちゃくちゃ得意なら、もう一方の影響は与えなくても回転する。
②上半身の動かし方の具体的説明
スノーボードの板を回すためには上半身の動きがなんとなく大事な気がする。
でも、実際どうやればいいのかはあまり分からない・・・
そういう人に、どのタイミングでどう上半身を回せば板を回すのに効果的かを説明するよ!
※ただ、180や360の場合はそこまで得意にならなくてもトーションの扱いとほんの少しの動きでできるようになる。だから、一応知っておいて今後に生かすという立ち位置でも全く問題ない。180の場合は板が浮く瞬間に上半身がひねられてさえいれば回るし(回転している状態でなくてもいい)、360の場合も、板が浮く瞬間に、より上半身をひねった状態にする又はほんの少しだけ回転していればOKだ。
ただ、これは相対的なもので、
・トーションをかける強さと
・浮く瞬間の上半身の回転速度
を総合して回転力が決まってくるので、「ほんの少し」という感覚に個人差はどうしても生じてしまうと思う。
マスターするまでは、結構頑張ってトーションをかけて上半身を回そうとしてしまおう。できるようになってからは、ほんの少しという感覚になると言った方がいいかもしれない。
ちなみに、板を回す方向と同じ方向に上半身を回せば、板を回せそうな気がしないかな?
そこまではイメージしやすいと思うし、それで合っている。
ただし、上半身をやみくもに回せばいい訳ではなくて、最適な瞬間がある。
それは板が地面から離れる瞬間だ。
その瞬間に上半身が回転している状態であれば、空中に出てからも上半身は回転を続け、その回転力に影響されて下半身が回ってくるという寸法なのだ。
だから、上半身を頑張って回しても・・・
板が地面から離れた後に回し始めたら、板を回すことはできずにシフトの動きになってしまう。
また、
板が地面から離れる前に上半身の回転が終わってしまっていると、回転力は与えることができない。(ただし、空中に出てから上半身が回転する角度は少なくて済む。)
まずは回転した状態であることにこだわらず、ひねられた状態でオーリーするところから始めよう。
<フロント180の例>
胸を進行方向に向けた状態で、オーリーすると(トーションはかけていないとする)
空中に浮く瞬間上半身は進行方向、下半身は滑ってきた方向を向いている。
ここで上半身と下半身がひねられているので(板のトーションを思い出してほしい)空中でもとに戻ろうとする力が働く。
上半身の方が重いので、上半身の影響が大きく、板が上半身についてくる。そうすると、90度回った状態になる。
回転力はつけていないので、これ以上は何も起こらない。
残りの90度は上半身のシフトで合わせればフロント180になる。
これが上半身をひねった状態でオーリーした場合の効果だ。
これを発展させて、オーリーと同時に上半身が少し回っている状態だとどうだろう?
そうすると、空中に浮いた後上半身は回転を続ける。
後は着地までのタイミングを計って上半身のシフトで180度に合わせる。
仮に、上半身が回っている状態の時の回転スピードがちょうどであれば、着地と同時に180度回っているということになる(シフトで回転数の調節はいらない)。
板が地面から離れる瞬間に、上半身が回転している状態になるためにどうすればいいのかというと、
まず、第一に何度も練習してタイミングを掴むという方法がある。
タイミングを掴めというのは説明にはなっていないけど、これに関してはいい方法が思い浮かばない・・・こればかりは経験を積んでもらうしかないというのが、今の僕の結論だ。ただ、イメージトレーニングして実際体を動かしてみるという方法は効果的だ。
次に、上半身を回転させる上で、いったん上半身を回転方向とは逆にひねってから回転させるという方法がある。
これは、単純に回転している時間が長くなるから、その間に空中に浮けばいいということで、合わせなければならない時間が少し長くなるという理屈だ。
あと、この方法だと、上半身の回転速度を速めるという効果も期待できる。上半身の回転速度が速ければ早いほど、回転力も大きくなる。
これで、スノーボードの上達に必須の4つの武器を手に入れたことになる。
・フレックスの扱い
・トーションの扱い
・上半身のシフト
・上半身によって回転力をつける
後は、これらの実力を上げていくだけだ。
今後はこれら4つの習熟度合いを上げるにはどうしたらいいかを中心に説明と練習方法を紹介していく。
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